レッド・ツェッペリン / 1971年 “929” 大阪フェスティヴァル・ホール公演!
LED ZEPPELIN / LIVE IN JAPAN 1971 929 (6CD)
DATE : | 19710929 |
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PLACE: | Osaka Festival Hall, Osaka Japan |
LABEL : | wendy |
CODE: | WECD-273-278 |
SOURCE : | Soundboard + Audience |
TYPE: | 6CDR |
RELEASE : | 20161127 |
■1971年9月29日の最終形にして真の決定盤
■本物の大物コレクターより未編集の優良マスターの提供を受けCD化
■これより若いジェネのテープはこの世に存在しない!
■終始入っていたプチプチというノイズが皆無
■新たに元テープより起こし最新の機材と技術で編集
■サウンドボード音源3枚+オーディエンス音源3枚の6枚組セット
■1971年コンサートパンフ全ページなどを掲載した3面見開きインナー付
【929について】
1971年のツェッペリンの初来日は、過去に来日したどのアーティストよりも、より多く伝説として語り継がれている突出したパフォーマンスであった。それはツェッペリンの歴史上においても最強との誉れ高い時期であり、日本における全5公演は、いずれも名演として後世に伝えられている。そしてその伝説が、美しい記憶として装飾されたものではなく、実際に伝説通りであったことを知ることが出来るのはコレクターの特権でもある。特に初来日においては最終日の大阪公演が白眉であることは衆目のイッチするところであろう。
初めて訪れる日本の地の素晴らしさはコンサート中においても何度もプラントの口から語られ、その感謝の意味を込めてか、この大阪最終日はツェッペリンの他の公演に比べても非常に特異なものとなっている。数多く残されているツェッペリンのライヴでも異彩を放ち、「Friends」を演奏している唯一の公演でもある。本作に収録されている1971年9月29日大阪最終公演は、まさに彼らのベスト・パフォーマンスのひとつと言えるであろう。
【Wendyの既発音源との比較】
コンサートの日付に因んだ、この通称「929」は、Wendyレーベルからは過去に3度リリースされており、いずれもその時々でベストの評価を得てきた。そして、Wendy後も数多くのレーベルから同日のコンサートがリリースされてきたが、いずれもWendyの牙城を崩すに至らず、いまだベストはWendyとされている。一部ではネットで出回っているセカンドジェネがいいとか、OG盤がいいとかいう声もあるようだが、実際に聴き比べてみると、両者とも貧弱な音で、何らかの恣意性を帯びた感想だとしか思えない。Wendy盤以降にリリースなり流通した音源はすべて聴いてみたが、そのいずれもWendy盤の価値を脅かすものではなかったという変な安心感を覚えて現在に至る。実際にWendyの音源を聴くと、迫力はもちろん、レンジの広さ、音の響き、低音の出、いずれも他の音源にない素晴らしいクオリティを誇っており、もはやこれ以上のものはないのではと思える。これは明らかにテープのジェネの若さからくる特長であって、ダビングを経ると軽減劣化する部分がそのままテープに残されているためである。とにかくこの迫力あるサウンドボード音源は、何度聴いていて胸がドキドキと高鳴ってしまうくらいである。とにかくWendy盤の最大の特長はこの音質にあると言ってよい。音楽を聴いてときめく感覚になれる経験はそう多くはないが、この音質で、この迫力で、ツェッペリンの演奏が眼前に飛び出てくると、長いコンサートながら一気に聴き通してしまいたくなるほどの感動を覚える。
【OGレーベル】
少し裏話をさせてもらえれば、OG盤のOGとは東京都北区にある王子という地名に由来する。OGの活動拠点が王子にあったのである。そして本作のテープ提供者はOGさんの知己でもあり、そのOG盤の元となった音源は、実は本作に使用されたテープからダビングされたものだそうだ。つまり本作はOG盤より若いテープが使用されているのである。だからこそ、いまだにWendy盤よりOG盤の方が音質が優れているという人は信用できる耳を持っていないと考えてよかろう。ちなみに過去のWendy盤をレビューしたブート・ポイズニング誌においては、OG盤をメイン・ソースとしたタイトルと比べても、ほとんどの面で優っている。このライヴに関して1タイトル選ぶとすれば、迷うことなく本タイトル(Wendy盤)を推薦するだろう』との記述がなされている。
また今回のWendy盤とOG盤の両者の明らかな違いとしてステレオ感の有無が挙げられる。OG盤はほとんどモノラルで収録されているのに対し、Wendy盤ははっきりとセパレートしたリアル・ステレオで収録されている。もちろん位相をわずかにずらすことによりモノラル音源から疑似ステレオを作ることはできるが、このようにきちんとセパレートしたリアル・ステレオは作ることはできない。マルチトラックがあるわけではないので、人工的にセパレートさせることも不可能で、Wendyがリアル・ステレオで収録されているのは元テープの特性が反映されたものであるというのがわかる。
いかなる理由でOG盤がモノラルに落ちたのかは知る由もないが、明らかに制作過程でのミスであろう。ちょうどビートルズの『UNSURPASSED MASTERS』が何らかのミスで当初モノラルでリリースされ、その後ステレオで再リリースされたことを思い出して欲しい。元テープはステレオだったのだが、何らかのミスでモノラルになってしまった。それと同じミスがOG盤でも生じているのである。ステレオ音源をモノラル化することは可能だが、その逆は不可能。この事実は、モノラルに落ちたOG盤よりもリアル・ステレオで収録しているWendyの方がジェネレーションが若いという何よりの証拠であろう。
ひとつ例を挙げると、「幻惑されて」のイントロ部分を聴いて欲しい。ベースにいざなわれるように静かに始まり、イントロでジミーペイジが「パァパァ~ン」と甲高いギター音を奏でる。その音がWendy盤ではすうっと伸びていき、音の余韻がそのまま残っており、まるでフェスティバルホールの会場内に響き渡る様子が目に浮かぶようである。これをダビングを経たテープで聴くと、音の伸びが極端に削れ、レンジが狭まったフン詰まりのような音になっているのがわかる。他レーベルの既発盤をお持ちの方は、ぜひこの部分に着目して聴いてみて欲しい。既発盤が「パァパァ~ン」で終わるのに対し、本作は「パァパァ~ン~ワワワ~~~ン」と余韻が長く続いているのである。
そして、たまたまわかりやすい部分ということで「幻惑されて」のイントロを紹介したが、このような利点は全編を通して貫かれており、一度Wendy盤を聴いたら他には戻れないくらいの圧倒的な差であると言える。単体で聴いていればそんなものかと思ってしまいがちだが、聴き比べれば明らかな、そして大きくその印象が異なるし、まさに異次元のレベルの差であると言える。これぞファースト・ジェネレーション・テープならではの特長であろう。カセットテープではジェネレーションの違いがここまで顕著に出るものなのである。
【本物の大物コレクターが個人的に所有していたテープ】
この音源に関しては、当時の関係者がグラントに隠れてラインで録音したもので、途中に何度もカットがあるのは、ちょうどグラントが見回りに来たタイミングで、その都度ジャックを外していたからだと聞いている。そして本作は、そうして録音された直のテープから一度だけダビングを経たものが元となっている。当時から有名なツェッペリン・コレクターの方が個人的に保管していたもので、Wendy盤のために特別に提供していただいたものである。
余談になるが、このテープ提供者は実際に当時のコンサートに友人と一緒に臨場している。金髪を靡かせ胸をはだけて歌う、まるでギリシャ神話の登場人物ような容姿のプラントを目の当たりにし、コンサート後に「ツェッペリンは神だ!」と一緒に行った友人は述べたそうである。
【コンセプト】
さて、今回4度目となるWendyによる929のリリースであるが、ここ最近の機材の発達と技術の向上は目を見張るものがあり、従来ベストとされてきたWendy盤ではあるが、現在の視点からはまだ修正すべき点が散見されるようになった。929は100タイトル以上ツェッペリンのタイトルをリリースしているWendyレーベルの看板タイトルである。名演にして名音源、おそらくこのようなテープに巡り合うことはそうないであろう。ここはひとつ最終的な形できちんと残しておくべきではないだろうかという判断の下、既発盤のリマスターではなく、今回新たに元テープから起こして制作されている。そして再発するからには既発盤にあった欠点は徹底的に潰し、これ以上改善の余地がないまでに作り込まねば意味がない。その覚悟の結集が本作なのである。
【音づくり】
まず音質であるが、そもそもの企画の発端が「完璧な最終形で残しておく」という前提があるため、素材となる元テープの音には極力手を加えず、ナチュラルなままの収録を心掛けてある。新垣結衣ちゃんがスッピンでも神的に可愛いように、余分な化粧は施さずとも充分に素晴らしい音であるため、これぞファーストジェネの音という大自然の良さをマニアの皆さんに堪能してもらおうということだ。テープが録音された経緯、流通の経路を鑑みると、これ以上のロウ・ジェネ・テープは、直に録音されたもの以外にない。そしてそれはもう行方がわからなくなっている。つまりこれ以上の音質のテープはこの世に存在しないことになる。いくら言葉でここで書いてもそれを証明するものはないのだが、音そのものは正直だ。これは是非皆さんに聴いていただくしかない。そして聴いていただければ、なるほどその通りだと納得できるだけのものになっているはずである。
【ピッチについて】
古いテープには経年劣化によるテープ素材の変化があり、ピッチの乱れというのは不可避な問題である。下の表は元となったテープのピッチ調整の際のメモである。「TK」とはトラックの略である。元テープは3本に分割して収録されていたのだが、例えば1本目のテープは15のトラックにわけられている。これは曲によるトラックわけではなく、あくまでピッチを基準とした分割なので、曲数と合っていないのは当然であるし、1曲が違うトラックにまたがっている場合もある。今回は新たにテープから起こすに当たって、全編に渡ってピッチを再チェックし、細かく分割してピッチ調整が施されている。表を見てわかる通り、同じテープの中でも最大で上下12%の狂いが生じている。このテープを、人間の可聴領域では判断がつかない0.1%の単位まで調整してあるのがわかるだろう。頭で合わせるとお尻が合わない、逆もしかり。それでなくても途中ですら大きく上下するピッチの狂いは古いテープにつきものである。従来のWendy盤でもピッチ調整の確かさは特記されるべきものであったが、今回はさらに細かく調整が施されている。ちなみに「?」となっているのは、音楽要素がなく歓声のみといったピッチが取れない部分である。
【頻発していたノイズについて】
今回、特に問題視されたのが頻発するプチパチというノイズであった。Wendy盤を含む既発盤をお持ちの方は特に「Going To California」や「Moby Dick」をヘッドフォンで確認していただきたいのだが、聴いていると頻繁にプチッ、パチッ、パツッというノイズが混入しているのがわかるだろう。その数はコンサート全編で数百か所に及ぶ。部屋でステレオで聴いている分には構わないかもしれないが、ヘッドフォンで聴くとかなり煩わしいまでの頻度でノイズが入る。今回のWendy盤の最大の特長のひとつは、そういうノイズが皆無である点である。些細な事ながら数百か所も頻出すると大きな違いとなる。非常にストレスとなっていたプチパチノイズがないため、通して安心して聴いていられるというものだ。もちろん当然ながらテープ・ソースなのでOG盤起こしのような針音もない。
【LIVE IN JAPAN 1971 929】
本作のディスク1から3はサウンドボード音源をメインに、サブのサウンドボード音源に加えオーディエンス音源を駆使してコンサートを最長の完全収録している。またディスク4から6は同日のオーディエンス音源を収録している。2種類のオーデェンス音源を駆使してこちらも完全収録となっている。いずれもこの歴史的コンサートを楽しむに不可欠な内容と、この日の伝説を補強する音質を誇る全6枚組である。既発盤をイスカンダルの彼方へ一蹴する、美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。スリップケース付。PLAY IT LOUD!PLAY AND PLAY AGAIN!
OSAKA FESTIVAL HALL OSAKA JAPAN September 29, 1971
SOUNDBOARD RECORDING
DISC ONE
01. Introduction
開演前のざわめきとメンバー登場からチューニングなど4分間に渡ってオーディエンス音源で収録されている。随分前からテープを回し始めたようで、なかなか始まらないのに痺れを切らして一旦テープを止めているため、カットが途中に一か所ある。ボンゾがドラムに座り掛け声をかける部分からメインのサウンドボード音源に移行する。
02. Immigrant Song
一聴して飛び込んでくる迫力ある音の洪水に圧倒される。今まで静かにざわついていた会場の雰囲気が瞬時に一変するこのオープニングの緊張感は素晴らしい。まさに息をもつかせぬ濃密な演奏である。既発盤では冒頭でノイズが目立っていたが本作ではノイズは皆無である。
03. Heartbreaker
1曲目とメドレー形式で間髪入れず演奏される。イントロのギターの響きで既に本作の音源が究極のロウ・ジェネであることを確信させられる。ドラムスが入る直前までのギター・リフ単独の際の空気感が損なわれずきちんと収録されているのは素晴らしいとしか言いようがない。既発盤では6分40秒あたりに音の窪みがあったが、本作ではそのような不備はなくきれいに収録されている。
04. Since I’ve Been Loving You
静かなブルース曲だけにテープによってはアラが目立つ曲であるが、本作はプチッというノイズもない安定した高音質で収録されている。特にバックで流れるキーボードの美しい調べが全編に渡ってきちんと聴きとれる状態のテープは本作を除いてほとんどないだろう。既発盤では5分45秒あたりに音の窪みがあったが、本作ではそのような不備はなくきれいに収録されている。
05. Black Dog
曲前に最新アルバムがリリースされること(このコンサートの時点では未リリース)、その中から最新の曲を演奏するという説明がなされる。プラントの言葉に呼応してジミーがギターを鳴らしているのが微笑ましい。途中26秒の欠落がありオーディエンス音源で補完されている。その他、曲が終わったあとの僅か1.5秒程度の歓声部分も、僅かであれカットがあるのでオーディエンス音源で補完されている。
06. Dazed And Confused
ツェッペリンのライヴの目玉のひとつであり、30分以上に渡る熱演である。長編の小説を読んでいるかのような起伏に富んだ複雑な構成をドラマチックに展開しているコンサート前半のハイライトであろう。始まって15分のところで16秒程度のカットがありオーディエンス音源で補完。さらに23分のところでも45秒程度のカットがある。この箇所は最初をサブのサウンドボード音源、そして後半がオーディエンス音源で補完されている。また約28分20秒から2分20秒程度のカット部分をサブのサウンドボード音源で、その後35秒程度がオーディエンス音源でそれぞれ補完されている。
DISC TWO
01. Stairway To Heaven
ここからディスク2になる。イントロ部分は元テープに起因するヒスノイズが目立つが、これを削ると音楽部分の鮮度自体が失われてしまうので、今回はあえてヒスも残す処理がなされている。その分、音像は実にクリアに収録されており、耳元で鳴るような右のギターと、左から聴こえるキーボードの音が全体に厚みを加えているのがわかる。初めてこの曲に接した日本のファンは、厳かに漂う名曲の貫禄に心揺さぶられた事であろう。曲中は静かに聴き入っており、終演後に「何だったのだ今の曲は」「今まで聴いたことのない曲だ」と驚いたに違いない。ギターソロに入る前にはボンゾが「ヘイ!」と掛け声をかけているのもしっかり収録されている。
02. Celebration Day
先の「天国への階段」とこの「祭典の日」はカットがなく、全て最高のサウンドボード音源で通して聴くことができる。アコースティック・セットへ行く前に会場を温めておこうという意図からか、猛スピードで激しく演奏されている。
03. Rudolph The Red-Nosed Reindeer
ここで場繋ぎにジミーが「赤鼻のトナカイ」のメロディを弾き出す。あくまで余興の域を出ないが、プラントが悪ノリして歌い出しているのも面白い。ジミーはよほどこの曲が気に入っていたのだろう、次の「That’s The Way」の後にも同じメロディをつま弾いている。
04. That’s The Way
ここからステージに椅子が設けられアコースティック・セットである。ステージをセッティングしているため移動させるたびにマイクに触れる音が聞こえるので、改めてこの音源がサウンドボードであると確信させられる。左スピーカーからはジミーの、右スピーカーからはジョンポールジョーンズのギター音が聴こえ、見事にセパレートしたステレオ音源であることが伺える。3分8秒から約27秒のカットがあり、オーディエンス音源で補完されている。
05. Going To California
続いて演奏されるのは「カリフォルニア」である。小品と思われがちだが、実際には9分を超える大作としてステージでは演奏されている。長いイントロではジミーは見事な指さばきを聴かせてくれている。既発盤ではかなり耳障りに終始プチプチのノイズが入っていたが、本作ではそのようなノイズは皆無である。5分24秒から約30秒のカットがあり、オーディエンス音源で補完されている。
06. Tangerine
元々ジミーがヤードバーズ時代に作った古い曲である。この曲の後、ボンゾがどこかへ行こうとしたのか、プラントが会場を煽ってボンゾの名前を呼びかけている。その様に思わず笑ってしまったジミーの笑い声をマイクが拾っている。「ボンゾは芸者とお風呂に消えたんじゃないか」
07. Friends
そしてこの929が特別な理由のひとつにこの「フレンズ」を演奏している点が挙げられる。全公演の記録があるわけではないが、この曲が演奏されたことが確認できる唯一のコンサートがこの929大阪なのである。演奏前にプラントが、日本がいかに素晴らしいか、「Too much」という表現からも想像以上の歓迎ぶりと居心地の良さだったのだろう。その返礼として「めったに演奏しない曲だぞ」と前置きを入れて演奏される、現在音源で確認される唯一の貴重なライヴ・テイクである。めったに演奏しない曲でありながら、非常に練られた感のある濃厚な演奏で、あのスタジオ・テイクの独特の雰囲気をさらに深化させている名演である。
08. Smoke Gets In Your Eyes
アコースティック・セットが終わりステージは再びエレクトリック・セットに戻される。その繋ぎとして演奏されたのが、日本では山下達郎もカバーしているスタンダード・ナンバー「煙が目にしみる」である。ほんの短い演奏ながら過去においてはCDのタイトルともなった929を象徴する曲である。
09. What Is And What Should Never Be
ここから雰囲気を戻しエレクトリック・セットに戻るのだが、中盤のハイライト「モビーディック」に移る前の前哨戦のような扱いでここに「強き二人の愛」が挿入されたのであろう。途中27秒間のカットがありオーディエンス音源で補完されている。
10. Moby Dick
ボンゾ以外のメンバーの休憩時間である。ボンゾがドラムセットを前に大暴れする20分間。他のメンバーは後半に向けて体力温存という事だろうが、ボンゾに至っては休憩すら必要のな超人的なパワーを発揮しているということだろう。既発盤ではプチッというノイズが断続的に入っており、特に3分50秒あたりから頻発しているが、本作ではそのようなノイズは皆無である。長い曲だけにカット幅も大きく、後半に約6分のカットがあり、オーディエンス音源で補完されている。
DISC THREE
01. Whole Lotta Love
ここから全力によるラストスパートが始まる。長いイントロがつけられたアレンジでメンバーがこのコンサートにかける気合は充分に伝わってくる。あの有名なリフが重々しく奏でられるが、改めて本作の音の良さが感じられる箇所である。厚みのあるギター音にベースが唸りまくり、そこへ重量級のドラムが重なって来る、そのすべてが余裕あるレンジに広がっていくのである。まさに本作ロウ・ジェネならではの豊潤な音の海である。既発盤では32秒の箇所に音の窪みがあったが本作にはそのような不備もない。また13分25秒の箇所では片チャンネルのレベルが下がりシンバルが消える現象があったが、本作ではきちんと収録されている。6分14秒から約30秒強のカットがありオーディエンス音源で補完。19分30秒から再び4分あまりカットがあるが、最初をサブのサウンドボード音源で、最後の約1分をオーディエンス音源で補完されている。
02. Communication Breakdown
「胸いっぱいの愛」で一旦本編は終了し、ここからがアンコールになる。曲間のアンコールを求める聴衆の様子はオーディエンス音源で補完されている。「言いたいことはいっぱいあるが、ただひとこと、ありがとうだ」と述べているが、ここまで饒舌なプラントも珍しい。そして火を噴くかのような激しい「コミュニケーション・ブレークダウン」になだれこむ。演奏が大き過ぎてヴォーカルが埋もれてしまっている。スタジオ・バージョンがわずか2分半の長さだったのに対し、ここではその3倍以上にまで伸長した演奏がなされている。
03. Organ Solo
ジョン・ポール・ジョーンズの見せ場である、次の曲へ移行するための長いキーボード・ソロである。まるで教会音楽のような厳かな音色で、このバンドはギターだけではないぞというアピールでもある。元テープの状態からヒスノイズが目立つが、これもナチュラルかつ美しい音像を残すためにあえて手を加えずそのままにしてある。
04. Thank You
そして長いイントロが終わり、静かに始まるのがセカンド・アルバムに収録されているバラード「サンキュー」である。前のオルガン・ソロからノーカットで続けて収録されているが曲が始まるとヒスが収まるのが元テープの不思議なところでもある。4分58秒からカットがあり、その部分はサブのサウンドボード音源で補完されている。編集こそあるものの、通してサウンドボードで聴くことが出来る。
05. Rock And Roll
ツェッペリンのコンサートでは、本人たちの自由裁量でアンコールが決められており、機嫌がよいと次々にアンコールをサービスしてくれる。「Blueberry Hill」や「Burn Like A Candle」などはその最たる例であろう。そしてこの929もその畳みかけるアンコールに加えられる。前日に当たる9月28日に続いて、この日も「サンキュー」で終わることなく、未発表の「ロックンロール」まで演奏されているから驚く。残念ながらこの曲はメイン・ソースには含まれておらず、サブのサウンドボード音源で収録されている。途中ギター・ソロの部分で20秒程度のカットがあるが、そこはオーディエンス音源で補完されている。
AUDIENCE RECORDING
DISC FOUR
01. Introduction
02. Immigrant Song
03. Heartbreaker
04. Since I’ve Been Loving You
05. Black Dog
06. Dazed And Confused
DISC FIVE
01. Stairway To Heaven
02. Celebration Day
03. Rudolph The Red-Nosed Reinder
04. That’s The Way
05. Going To California
06. Tangerine
07. Friends
08. Smoke Gets In Your Eyes
09. What Is And What Should Never Be
10. Moby Dick
DISC SIX
01. Whole Lotta Love
02. Communication Breakdown
03. Organ Solo
04. Thank You
05. Rock And Roll
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